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高査定って何??どんなメリットがあるの?【鑑定士仲介マン横山が答える・不動産査定一問一答 No.12】

不動産会社勤務経験はあり宅建士の資格は持っているものの、オフィス・テナント管理の経験しかなく仲介実務経験は0のコラビットのマーケターS、不動産業界は初めてのマーケターKが、査定業務の肝やAI査定プロの特徴を完全理解するために企画したこのコーナー。

AI査定プロの開発者の横山は、鑑定士資格を持った元仲介営業マン。彼に素人目線の質問をぶつけることで査定業務の理論やAI査定プロの強みを明らかにします。

K:いきなりですけど、高査定ってなんですか?一括査定の話を社内でしているとよく出てくるワードなんですが、いまいち理解しておらず。

横山:OKです。今回は高査定をテーマにしましょう。

高査定とは今売り出したらその価格で売れる価格(成約予想価格)から大幅に上方向に乖離した価格のことです。

K:高査定って言葉は昔からあるんですか?不動産業界の手法の一つ、的な?

 

査定額だけで判断されてしまう構造的な問題から高査定が増えていった

横山:かなり昔はよく知りませんが、少なくとも私が査定現場に入った10年前にはありました。印象としては一括査定の普及とともに増えてきた気がします。横並びで査定額だけで判断されてしまうため、高い査定で売主様の気を引きたいという構造的な問題が背景としてありますね。

また売主様もリテラシーが高いわけではないので、高い査定を出されると喜んでその会社と媒介契約を結んでしまうのです。こうなると1社だけ真面目に査定しているのがバカらしいと思ってしまうのも心情的には理解できます。でも結局は売れない価格なので長い目で見た信頼を失ってしまうんですけどね。

K:なるほど、なんかあまり良くないことのように思えるので、様々な立場からのメリット・デメリットを聞いて考えてみたいと思います。

まずは売主様のメリットってなんですか?

横山:強いて言えば、チャレンジ価格で売れる可能性が出てくることですかね。不動産業界って情報の非対称性で自分の物件の適正価格って測りづらいじゃないですか。となると、不動産屋の言うことを信じるしかないですよね。でも不動産屋ってできるだけ安く売出したいんですよ、なぜなら売りやすいからです。不動産屋は売れないと手数料入ってこないからなんとしても売れないと意味がないんです。

そのような構造になってるので、1社に頼むと安く査定される宿命にあります。これって高く売れる可能性が最初からゼロってことなんですよね。それが高査定されることで高く売れる可能性が出てくるわけです。

もう1つは自分の物件を高く査定してもらえて気分が良いということですかね。

K:あれ?売主様にはメリットがある気がしてきました。じゃあ不動産会社にとってのメリットってなんですか?

 

不動産会社の高査定のメリットは専任媒介契約獲得の可能性が上がること

横山:そうですねえ、不動産会社にとってのメリットは明確で、他社から突き抜けて高い価格を出すことで専任媒介契約を取れる可能性が上がることですね。

K:そっか、だから高査定が常態化したんですもんね。では不動産業界全体へのメリットはなんですか?

横山:う〜ん、(しばらく悩んだ後)これこそ強いて言えばですが、高い価格での売出しが増えて、不動産価値の高い流通が活発化して見える、、とか?結局は成約で見られちゃうのでハリボテでしかないんですが。。

 

K:う〜ん、いまいち良いのか悪いのかよくわからない高査定ですが、逆にデメリットを聞いていきます。まずは売主様にとってのデメリットはなんですか?

横山:これは明確に、販売期間の長期化があげられます。高査定って相場価格から乖離してるので、たまたまその高い価格で買ってくれる人が世界で1人いればいいけど、そんなうまい話はほぼほぼなくてまず売れません。結局、値下げしなきゃいけなくなります。

K:だいたいどれくらい延びるもんですか?

横山:適正価格でも2〜3ヶ月かかる不動産取引ですが(※地域によります)そこにプラスして、売り出してから適正価格まで値下げしていく期間がかかります。一概には言えませんがそういうことです。しかも更に困ったことが起きます。

K:え?長期化するだけでも困るのにまだ困ることがあるんですか?

横山:適正価格より安い成約になってしまう可能性が高いことです。つまりこういうことです。不動産はお魚と一緒で鮮度が一番です。市場に残っている物件は人気がない物件だと買い主に判断されて足元を見られるようになります。

例えば、4800万が適正価格の物件があるとしましょう。普通に査定して普通に4800万で売り出せばそのまま売れる物件でも、最初に5000万で出して2ヶ月後に4800万に値下げすると足元見られた値下げ交渉が入り、結局4700万になってしまうケースは割とあります。

K:げげ、それは、、、時間もかかるし安くなるなんて本当にデメリットですね。

一時良い気分になることで数ヶ月後に地獄になるなんてつらすぎます。

不動産会社にはデメリットなんてあるんですか?見たところあんまりなさそうだけど。

 

不動産会社にとって高査定のデメリットは値下げできないこと

横山:あります!値下げできないことです。これを説明する上では、不動産会社内で評価されるポイントをまず説明する必要があります。

K:評価ポイントですか、教えてください。

横山:順番としては成約することが一番褒められます。次は、ほぼ成約に近い媒介契約を取ることです。

その次に褒められるのが、なんと預かってる物件を値下げしたときなんです。

K:ん?よくわかりません。どういうことですか?

横山:考え方として現金化に近い順と考えてもらえれば良いです。

入金確定の成約、成約ほぼ確定の媒介契約獲得、次は売れる可能性が激増する値下げ

ってことなんです。売主様を説得して値下げさせれば褒められます。

そしてこのときに高査定がデメリットに働きます。

最初に高査定をしていると、媒介契約を取っても売主様にすぐに値下げ提案なんてできません。高査定で気分がよくなってるからなおのことです。

下手なタイミングで値下げ提案なんてしたら、それこそ媒介を切られるリスクもあります。実は取引の長期化は不動産会社にとってもリスクなんです。

K:なるほど〜、、、なぜ高査定を皆でし合ってるのかわからなくなってきました。最後に業界全体のデメリットはなんですか?

横山:不動産会社業界全体の信頼低下ですね。そもそも閉鎖的な不動産業界です。個人的にはレインズの成約事例まで見れるようにしてほしいんですが、こんなことを続けていけばやはり一般の人からは不動産取引って怖いなって思われてしまいます。

結局僕らは流通が止まってしまったらお役御免です。信頼を低下させることで全員で地盤沈下を引き起こしてるのでないかとずっと危惧しています。

売主様のために、適正な価格での査定をやってほしいです。

K:例えば査定は適正にしておいて、売出提案価格でチャレンジ価格を提案して売主様の気分を上げるなんてことは有効そうですね。

横山:そうですね、それとやはり査定価格の根拠をキッチリと明示することです。

結局根拠はあいまいなため、売主様は高い査定額で舞い上がってしまうわけです。冷静に説明すれば高い価格である理由に整合性が取れなくなります。

 

査定価格の根拠を明示して売主様に現実と向き合ってもらう

根拠のしっかりとした査定をキッチリして説明をし、売主様をクールダウンさせる。現実とまず向き合ってもらった後に、ちょっとチャレンジングですがこの価格で売り出してみましょう。とやれば信頼をガッチリつかめると思います。

K:根拠のしっかりした査定をするためにもAI査定プロ、ですね。

横山:そういうことです笑 それではまた!

 

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