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営業現場においてぶっちゃけ査定価格って重要なの?【大手不動産出身現役仲介営業マン渡邉が答える・不動産仲介・査定一問一答】

不動産会社勤務経験はあり宅建士の資格は持っているものの、オフィス・テナント管理の経験しかなく仲介実務経験は0のコラビットのマーケターS、不動産業界は初めてのマーケターKが、査定業務の肝やAI査定プロの特徴を完全理解するために企画したこのコーナー。

大手不動産仲介会社出身であり、今も現役の仲介営業マンである渡邉。彼に営業現場でのリアルな査定の使われ方や、媒介の獲得の仕方などを聞いていきます。

K:渡邉さん、今日はよろしくお願いします。渡邉さんは今でも現役の仲介営業マンとして現場に立っていますよね。その観点で色々教えていただければと思います。

まず最初に、売主獲得の営業現場で査定価格ってぶっちゃけ大事なんですか?

渡邉:査定価格は大事ですね。特に重要だと感じるのは相手が求める金額を出すことです。

査定価格はドンピシャな価格を出しておいて、売出提案価格で高く売ってくれそうという期待を持ってもらうことで安心して物件をおまかせいただけると思います。

K:僕の分析では、渡邉さんは人情とデータのハイブリッド営業マンって印象なんです。

売主様の心に寄り添うというか。そこらへんでなにか心がけていることはありますか?

 

まずは「友達になること」を心がける

渡邉:「友達になること」はいつも心がけていますね。

K:友達になる、か。それが出来れば営業マンはみな苦労しないと思いますが、例えば具体的にどんな感じでやるんですか?

渡邉:例えば、初めてか2度目の訪問のときに、家のことをちゃんと見てあげることは重要です。売主様なりにこだわっているポイントが必ずあります。リフォームした箇所だったりキレイに使っていたこととかは褒めやすいポイントですね。

営業マンからの褒め言葉があると、お、この人はよく見てるな、わかってくれてるな、が伝わります。

すると、親近感がわいてきますよね。

K:なるほど!それは良いですね!

ただ、例えばリフォームのような、売却額に反映されづらい箇所を褒めてしまうことで変な期待をされてしまいませんか?

「そうなんです!キレイに使ってたから、その分高く売れると思います!」みたいな。

渡邉:それにはコツがあります。

リフォームなどのこだわりポイントが売り主様から出たら一旦受け止める、そして褒める、それから売却額への反映は難しいというプロとして意見を述べることです。

ただ、ここで物件をしっかりと見ていることが役立ちます。すべてのリフォームが価格に反映されないわけではありません。かけたお金以上の価値向上につながるケースもあります。

それで例えばリフォーム履歴やメンテナンス履歴を詳しく聞いてあげて、査定価格に反映させるなんてことはやっぱりやったりします。注文住宅の人は特にこだわりますからね。

K:なるほどですね。では友達になった後、どのように媒介を取りにいくんですか?

値引きとか?

渡邉:いきなり値引きなんて話しません。値引きは適切なタイミングで伝えないと効果が低いですから。

まずは自社のサービスを売主様のメリット面を強調して伝えます。

いきなり値引きを考えるのではなくて、それ以上のメリットを売主様に伝えます。それでもすったもんだあってクロージングでようやく値引きを出す感じですね。

 

査定価格を営業現場で説明するときに気をつけることは2つ

K:ありがとうございます。次に、査定価格を説明するときに営業現場で気をつけていることを教えてください。

渡邉:大きく2つあります。

まず査定書を見せる前なんですが、建物価格の反映はしづらいということをしっかりと伝えます。建物価格は築20年も経っていれば200万くらいになってしまうので。

売主様は自分が建てたときの金額そのままだったりまあ6〜7掛けくらいで考えてる方が意外と多いのです。

なので、まずはそれを正すことから始めます。しかしここで「我々は建物の良さがわかってますよ。」というアピールはキッチリとします。

K:なるほど、売主様にとってマイナスな話であっても言うべきことはしっかりと言う、しかし気持ちは汲んであげるということですね。

もう1つはなんですか?

渡邉:根拠が説明できるような査定書作りを心がけています。

売主様が納得できる、こちらもしっかりと説明ができる査定書になっていないと、せっかく築き上げた信頼関係が一瞬で崩壊します。

それくらい、売主様は査定価格の根拠を通して、この営業マンは信頼できる人なのかどうかのジャッジをしている、現場ではそう感じますね。

K:ありがとうございます!

やはり現役バリバリ、現場の話はとても参考になります!また聞かせてくださいね!

渡邉:もちろんです!またよろしくお願いします!