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苦労した案件の話を教えて!【大手不動産出身現役仲介営業マン渡邉が答える・不動産仲介・査定一問一答】

不動産会社勤務経験はあり宅建士の資格は持っているものの、オフィス・テナント管理の経験しかなく仲介実務経験は0のコラビットのマーケターS、不動産業界は初めてのマーケターKが、査定業務の肝やAI査定プロの特徴を完全理解するために企画したこのコーナー。

大手不動産仲介会社出身であり、今も現役の仲介営業マンである渡邉。彼に営業現場でのリアルな査定の使われ方や、媒介の獲得の仕方などを聞いていきます。

K:この前はありがとうございました!さて、今日はキャリア満載の渡邉さんならではの質問というか、今まで手掛けた仕事の中で苦労した案件について教えてください。

渡邉:なるほど、苦労したか〜。

K:例えばなんらかのトラブルが発生したけど、なんとか成約までこぎつけましたみたいな話です。

渡邉:それならあります。境界トラブル系です。

K:おお、それぜひ教えてください。

渡邉:不動産仲介会社時代のことでした。

隣地との境界確定をせずに売買契約を結んだ

渡邉:もうだいぶ前ですが、中古物件を買取業者さんに買ってもらった話です。

買い取るときって、だいたい特約で測量した隣地との境界の明示をしています。隣の土地との境界の確定ができていないと、買い取った後にトラブルになる可能性が高いので買取金額が大幅に下がったり、買い取ってくれないことがあるんですね。

K:そりゃトラブルの火種を抱えるのは誰だって嫌ですもんね。

渡邉:そのときは売主様がかなり売却を急がれていて、境界確定せずにA社と売買契約を結んだんですね。引き渡しまでに測量して境界確定しますよ、と。
法的にも商習慣的にもまあまあある話なので、そのときは売主様の意向を優先しました。ただ、今考えるとかなり危ないやり方だったな、と反省しています。

K:なるほど、それで何かトラブルが発生したんですね?

 

隣人が境界に納得してくれなかった

渡邉:はい、測量を終えて土地家屋調査士さんと隣人に印鑑をもらいに行ったら、境界に納得できないから押印は出来ない、と言われました。10cmずれている、と。

K:え?それってやばくないですか?

渡邉:はい。売主様が主張していた面積を元に売買契約は結んでいましたので。
なんとか納得してもらわないと、と困っちゃいましたね。

K:それでどうしたんですか?としては、当然対応が早い会社への信頼が高まりますね。

渡邉:実は別の業者さんにも並行して声をかけていました。仮にB社としますが、経緯を話してそれにご納得いただいた上で希望以上の金額で買い取ってくれるという返事をいただけました。

ただ、今契約しているA社が初めての取引だったこともあり、トラブルに対して四角四面な対応をされてしまったんですね。解約するなら違約金が発生するよ、と。

K:まあまっとうなことを言っている気もしますが。

渡邉:それもそうなんですが、違約金と言われても前述したように、売主様にはお金がないのでそれはどうしても呑めない条件でした。

K:仲介の立場としてはひりつく状況ですね。最終的にどうなったんですか?

渡邉:なんとかA社に違約金なし解約で納得してもらい、B社に買取ってもらいました。

K:境界はどうなったんですか?

渡邉:隣人が主張する通りにしました。売主様としても早急な現金化を求めていましたし、希望以上の価格でB社が買ってくれたので、長引かせることは双方にとって得ではない状況でした。

 

K:なるほど、聞いてるだけでかなりひりつく状況でしたね。

渡邉:そうなんですが、結構境界確定関係でのトラブルって多いですよ。押し出しの強い人だととりあえず主張しとけ、って方も少なからずいますからね。

K:そうなんですね、僕も家買ったら境界はしっかり調べておきます。ありがとうございました!

 

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