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査定のプロ横山先生の査定にまつわる失敗談を教えて!【鑑定士仲介マン横山が答える・不動産査定一問一答 No.16】

不動産会社勤務経験はあり宅建士の資格は持っているものの、オフィス・テナント管理の経験しかなく仲介実務経験は0のコラビットのマーケターS、不動産業界は初めてのマーケターKが、査定業務の肝やAI査定プロの特徴を完全理解するために企画したこのコーナー。

AI査定プロの開発者の横山は、鑑定士資格を持った元仲介営業マン。彼に素人目線の質問をぶつけることで査定業務の理論やAI査定プロの強みを明らかにします。

K:先生!今日は先生の失敗談を教えてもらいに来ましたよ。さすがの先生も失敗がないなんてことはないですよね?

横山:沢山の経験を乗り越えて今の私があると思ってます。そういう意味では失敗は一つもなかったですね。

K:誰がエジソンみたいなかっこいいこと言えと!そういうかっこいいのはいらないので、かっこ悪い失敗談を教えてください。

横山:そんな鼻息荒く、今日は一体どうしたんですか?

K:このシリーズを読んでくれている不動産会社の友人とこの前飲んでたときに「横山さんの話はめちゃくちゃ勉強になるけど、雲の上の人の話って感じるときがある」と言ってました。

なので今日は、横山先生も人間なんだよ、人間だから失敗談もあるよ、ってことを伝えてあげたいんです。

横山:そういうことなら喜んで失敗談を話しましょう。

K:ありがとうございます!

 

失敗談1:リップサービスで高値査定して媒介取れたはいいものの・・・

 

横山:あれはまだ私が新人の頃です。40代くらいの男性でちょっと神経質そうな売主様でした。

売却理由が「高く売れるなら売る」という方だったんです。

K:なるほど、神経質そうな方は大変そうですね。

横山:売却理由が高く売れるなら〜なので、当然のように高査定をして持っていきました。

そうしたら「あ、そうなんだ。こんな高値で売れるなら売ろうか」と媒介を任せていただけたんです。

K:すでにヤバそうな結末が見えますね。

横山:以前にもお話したように高査定して媒介を獲得してから売主様に値下げ交渉をして適正価格に下げて成約まで持っていくのは常套手段です。

そのときの私はその手段に疑いもなくなぞっていました。

狙い通り高査定して専任媒介を獲得し、会社からも褒められてホクホクして売り出しを開始しました。

そして当然のように売れません。なんせ根拠も何もない、売主様が望む価格でのリップサービス査定ですからね。

K:それでどうなったんですか?

横山:値下げ交渉を開始しましたが上手くいきませんでした。

「横山さん、この値段で売れるって言ったじゃない」の一点張りです。

売却理由が高く売れるなら売るだったので、値下げしたら売る理由がなくなっちゃう。そりゃそうだよな、と。

結局その後値下げをすることも出来ず売ることもできず、なんなら内覧も一件も取ることもできず、3ヶ月で専任媒介契約を切られて他社に切り替えられました。

会社からもめちゃくちゃ怒られた、というお話です。

K:ちなみに次の会社はどうしたんですかね?

横山:値下げをして売れたみたいですよ。

K:え?どうやってやったんですか?

横山:予想ですが、前の会社を悪く言うわけです。

前の会社さんの査定は高査定ですよ、こんな金額では買うお客さんなんかいません。希望額より下がりますが、時期的にもてっぺんだから少し下げてでも売った方がいいです。

とやれば売主様を納得させて値下げして売り出せます。

K:なるほど、高査定だったとはいえ、3ヶ月売れなかった現実を売主様も体験した後だから有効ですね、また、前の会社の査定を悪く言えばそれで相対的に信頼が上がるわけか。

横山:そういうことです。

ただこの失敗談の学びは、やはり「根拠のない高査定をしたこと」にあると今では思います。

K:どういうことですか?

横山:AI査定プロで提案しているように、キッチリとした根拠に基づく査定価格で一旦売主様との間に適正価格を握っておく。その価格と売主様の事情や希望を踏まえて売り出しチャレンジ価格を提案する。

ということをしておけば、そこまで説明して媒介を結んでくれる売主様なら売れなかったら値下げに応じてくれる可能性は高くなります。結果的に早く売れて双方ともにハッピーです。

K:なるほど!この失敗談からでも「根拠のしっかりとした査定」の重要性がわかりますね。

もう1個くらい失敗談ありますか?

 

失敗談2:売り出し情報を把握せずに訪問してしまった

 

横山:これも新人時代のことで、結構皆さんあるあるかと思いますが、成約情報しか把握せずに訪問してしまったことです。

K:詳しくお願いします。

横山:新人時代の私は、成約事例で査定をしておけば正解だと信じていました。

もちろん今でも成約事例で査定することが良いという考えは一緒ですが、問題だったのは「売り出し情報を頭にいれることなく訪問してしまった」ことでした。

この売主様も40代くらいだったんですが、結構いるんですけどマンションにいやに詳しい売主様っているんですよ。

そういう方ってsuumoとかで売り出し事例を把握している人が多くて、同じマンションなら今何階でいくらで出ているとか、近隣の似たようなマンションの何階はいくらだとか、とにかくマンションに詳しいんです。

K:なぜそんなに詳しくなるんですかね?

横山:購入しているからです。購入するときって比較検討して吟味して皆さん買っているので、その過程でこのマンションが比較されるのはあのマンションだ、などと、いやでも詳しくなります。

またマンションは特にリセールバリューを気にしながら購入する方が多いので、極端な人なら住んだその日から売り出し情報をチェックしてる人もいます。

K:すごい!実需として住みながらも投資的な感覚もあるんですね。

横山:そうなんです。で、そのときがまさにそのような売主様でした。

一般の方ってレインズ見れないので「suumoとかで見ている今売り出してる情報」がその方の感覚になっているんです。

当然こちらは正解である成約事例で査定して持っていってるんですが、売主様の頭の中にある売出し情報をチェックしていなかったばかりに

「プロのくせに情報知らないのかよ。」とはっきりと言われました。

「あっちの部屋は3800万で売り出してて2ヶ月売れてないのに査定価格は3900万で出すんだ、それじゃ売れなくない?なんでその金額なの?」と詰められたわけです。

K:こわっ!冷や汗もんですね。

横山:いや本当に冷や汗かきまくってました。知ったかぶりはポーズとしてしましたが、当然のように見透かされて媒介取れませんでしたよね。

会社にそのこと報告したら、情報収集不足ってことでめちゃくちゃ怒られました。

成約が絶対でありながらも売主様の立場に立った情報収集も必要だと痛感した出来事でした。

K:なるほど、どちらの失敗談も追体験することで僕も冷や汗かきましたよ。

ただ、横山先生も同じ人間なんだな〜とまんまと親近感が湧いてしまいました。これからはもう少し仲良くなれそうです。

横山:え?私としてはすでにKさんと仲良しだと思ってたんですがまだ距離があったんですね。

K:あ、それは。まあ今日はここらへんで!また次回よろしくお願いします!

横山:(なんかもやっとするな〜)

 

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