AI査定プロ(不動産査定書作成システム)導入事例:vol.8 東京建物不動産販売株式会社様
「AI査定プロ」を活用して、不動産媒介の成約を増やしている不動産会社様へのインタビュー第8弾として、首都圏を中心に不動産仲介事業を運営されている東京建物不動産販売株式会社の麻生様・太田様にお話を伺いました。不動産査定書作成サービス導入のご参考にしていただければ幸いです。

導入前の3つの課題:査定金額の根拠が分からない・査定プロセスを説明しづらい・査定精度が高くない
ーー御社について教えてください。
東京建物不動産販売株式会社 営業企画部 麻生様(以下、麻生様):弊社の査定対応エリアは、基本的には1都3県、地方は名古屋と関西です。
店舗が都心に多いので、マンションの取引件数が多いです。とはいえ、町田・千葉・大宮などにもお店がありまして、郊外にいくほど戸建てや土地も出てきます。また、関西・名古屋では事業用物件の取り扱いも多く、収益物件の割合が高い傾向にあります。
ー 今回インタビューにご参加いただいている太田様と麻生様のお2人について詳しく教えてください。何年くらい仲介営業経験をお持ちでしょうか?
麻生様:私は入社19年です。営業企画部に入って丸2年です。それ以前は、10年ほど仲介業務をやっていました。そのほか、投資のセクションや経営企画部も経験しました。
東京建物不動産販売株式会社 営業企画部 太田様(以下、太田様):私は入社6年目です。仲介営業の経験としては約4年、そして今の営業企画部には麻生と同じタイミングで異動してきました。
最初の2年は目黒支店、その後に大井町支店で1年、リテール営業部で1年ほど、仲介営業を担当していました。目黒や大井町では、ブリリアなどのマンションの取り扱いが多くありました。
ー ありがとうございます。お二人とも仲介営業を経験されてから、営業企画部に配属されたということですね。それではAI査定プロ導入前はどのように査定書を作成されていたのでしょうか?
麻生様:元々は他社Aさん、もしくは独自のWordフォーマットで査定書を作っていました。各自が使いやすいフォーマットで作ろうよ、という感じで使い分けていましたね。
実は2022年末から半年ほどは、他社Bさんの査定書システムも、他社Aさんと併用で使っていました。私がリテール営業部から営業企画部に異動したのが2023年1月なので、他社Bさんの査定書システムを現場で使っていたのは、1ヶ月ほどですね。
ただ、他社Bさんは少し使い勝手が悪い部分があったので、御社のAI査定プロに切り替えをしたという流れです。
太田様:私も他社Bさんの査定書システムはほとんど使っていなかったのですが、最初にデモや説明をいただいた時は、すぐに作成が出来るのでテンションが上がり、ぜひ使おうと思いました。
ただ実際使ってみると、次の3つの課題点が浮き彫りになってきました。
- 査定金額の根拠が分からない
- 査定プロセスを説明しづらい
- 査定精度が高くない
ー ありがとうございます。今は、弊社のAI査定プロ以外も使っていらっしゃるのでしょうか?
麻生様:今は御社と他社Aさんと、2つを使っています。他社Bさんに関しては完全に乗り換えで、解約させていただいております。一方で、他社Aさんは一棟の収益物件の査定ができ、しかも戸建ての査定精度が高いという理由から現在も残しています。
AI査定プロ導入の決め手:査定プロセスがわかりやすいこと・使い勝手が良いこと
ー 他の査定書システムと弊社を比べて、何が導入の決め手になったのでしょうか?
麻生様:決め手は2つあります。
まず1つ目は「査定プロセスがわかりやすいこと」「説明しやすいこと」です。実際に営業で使う時に、お客様にきちんと説明できて、納得していただかないと意味がないので。個人的には最も大事だと思います。多くの査定書システムの中で、御社の査定システムが1番強かったですね。
2つ目は操作性です。アナログな人がかなり多く、操作の難易度が高いと触らないみたいな人もいる中で、社内浸透できたのは「使い勝手の良さ」「操作がシンプル」という点で、社員から高評価を得ているからだと思っています。
ー AI査定プロの導入検討時に、他の会社さんの査定書システムの方が優れていた点はありましたか?
麻生様:当時は3社で比較しましたが、御社以外の査定書システムはどれも似ており、御社のものと比べて勝っている点が無かったです。強いていうと、弊社は法人系の部署も多いので投資物件の査定依頼もあるのですが、そこに特化した査定書システムがあったので、興味を持って聞きました。
ー 導入までに、どのように検討されましたか?
麻生様:営業企画部内の検討で、御社への切り替えが最適であると結論が出ました。とはいえ現場の意見も聞く必要があると考え、数か月全社トライアルを実施させていただいたうえでアンケートを実施し、その結果を踏まえて導入となりました。
サービスの成果を感じたポイント:使いやすい75%、査定書の内容が良い77%、顧客への説明がしやすい63%、効率化した69%と、社内で高評価
ー AI査定プロを導入してから、店舗担当者様からはどのような反応・声がありましたか?
麻生様:2025年頭に社内アンケートを実施し、改めて現場の意見を確認してみました。現場も我々営業企画部と同じような意見でAI査定プロを評価しているという結果でした。
AI査定プロの査定精度については、特に土地・戸建てでやや不満があるものの、概ね高評価でした。
- 操作性・使いやすい:75%
- 査定書の内容が良い:77%
- 顧客への説明がしやすい:63%
- 効率化した:69%
結果として「AI査定プロを継続したい」は79%を占めていました。
物件の種別ごとにも使用状況を聞いたところ、特に区分マンションの査定ではよく使われていて、土地・戸建ての査定は使っている人はマンションと比べるとやや少ないようです。一方で、収益区分の査定はまだ半数は使っていない状況でした。
AI査定プロだけで査定対応している方は70%にのぼり、他社Aさんとの併用は28%に留まっています。
ー アンケートを共有いただきありがとうございます。他社Aさんと併用されている方もいらっしゃるのですね。併用の場合は、どのように使い分けているのでしょうか。
麻生様:他社AさんとAI査定プロをどのように使い分けているか聞いてみると、次のような声が多く見られました。
- 一棟の収益物件には他社Aさんを利用
- 基本はAI査定プロだが、居宅以外の査定対応で、稀に他社Aさんを使っている
- 弁護士査定には他社Aさんを使うことが多い
他にも、1つの物件で2つ併用しているという意見も見られました。
- 説得力を上げるために併用している
- 戸建ての査定精度に若干不安があるため、価格の妥当性検証のために併用している
- 大手他社がAI査定プロを使っているので他社査定額の目安として参考にしている
ー ありがとうございます。一棟収益についてもコメントがかなり多いですね。
麻生様:はい。特に法人系の部署からは、一棟を査定したいという要望がありますね。他にも、改善要望を聞いたところ、次のような意見が寄せられました。
- フリーテキストで文字数が少ない時は、ページの余白が気になる。
- 顧客に対するコメントなどをテンプレート登録できると良い。
逆にAI査定プロで気に入っているところとしては、次のような意見が多くあがりました。
- 今までの査定書システムの中で1番使いやすい。作成時間が短縮された。
- 簡単な入力だけで見栄えの良い査定書が作れる。序盤に査定価格があり、説明しやすい。
- レインズからの成約事例の取り込みが簡単にできる。
成約価格でマーケット価格を把握した上で、「いいマーケットなのでこの価格で売り出しましょう」みたいな話の流れの方が、弊社には合っていると思いますし、そうあるべきだと思います。
ー ありがとうございます。コメントのテンプレート登録については、先日(インタビュー後)に機能リリースいたしましたのでぜひご利用いただければと思います。
【AI査定プロ・新機能リリース速報】31. デフォルト設定機能
それでは査定業務について、もう少し詳しく伺います。査定書作成時に、査定金額を少し調整する、または成約事例をレインズから取り込むというようなカスタマイズをなさっているのでしょうか。
麻生様:AI査定プロの事例はデフォルトだと販売事例が取り込まれるので、成約価格を取り込んだ場合よりは高く出る印象です。実際に、過去に実施したアンケートでは「査定価格が高め」という回答が多かったです。
そのためレインズなどから成約事例を入れるように社内にはアナウンスをしています。先ほどの社内アンケートでも、成約事例の取り込みが簡単にできるという意見は結構ありましたので、問題なく使っているのかと思います。
一方で、スピード感を持って早く出したい場合は、そのまま出すケースも当然あると思います。
ー 反響獲得後すぐに出したいというご要望は他社様からも伺っております。そのまま出しても十分使える精度になるように更に改善いたします。
3つの査定価格は現場の声から機能追加
ー AI査定プロ上では査定価格が1個出て、他に2つ設定できます。例えば買取価格やチャレンジ価格などの項目名を設定していただくなど、自由に追加いただけるのですが、どのようにご利用いただいていますか?
麻生様:実は、この機能は我々が要望を出させていただきました。他社様からも要望があったかもしれませんが。現場からそういう声が複数あったのです。
例えば弁護士からご依頼をいただいて提出する査定書においては、売り出し価格があると逆に困る。あるいは買取価格など名前を変えたいというニーズもありました。要望を上げた結果、実装いただいた形なので、営業も使っていると思いますよ。
参考:【AI査定プロ・新機能リリース速報】26.提案価格を自由に3つまで設定いただけるようになります
ー 御社内のアンケート結果から現場のリアルな要望を多数共有いただき、大変感謝しております。査定書をURL共有する機能も使っていらっしゃいますか?
麻生様:はい。御社のURLで送れる機能は結構重宝しており、現場メンバーからいいねという声がいくつかありました。
実は、弊社のメールシステムはPDFを添付すると自動でZIPファイル化されて、パスワードが別送される仕組みになっています。しかし逆にお客様が手間だったり、高齢の方からは開き方がよくわからなかったりと問い合わせが来るケースもありましたが、URL共有機能で課題が解消できました。
参考:【AI査定プロ・新機能リリース速報】⑯査定書をURL共有する際にパスワードを任意にできる機能
サービスの満足度:90点。AIで算出した数字を自由に調整でき、デザインは見やすい、しかもお客様が理解しやすい構成
ー ありがとうございます。AI 査定プロの満足度100点満点で言うと何点でしょうか?率直なご意見をお聞かせください。
麻生様:個人の感想で言うと90点、私自身はかなり満足しています。私が積極的に切り替えを進めたので、思い入れもありまして。
太田様:麻生の点数が出る前に心の中で点数持っていたのですが、全く同じ90点ですね。
なぜこの点数かというと、他社Bさんをはじめとした他の査定書システムの中には、AIで数値をはじき出した後に、手を加えるのが難しいツールが結構多くありました。そうなるとお客様に説明できないので大きな課題だなと思っていたのです。
しかしAI査定プロだと自由に調整できます。営業担当者は周辺のマーケット情報や地域情報をよく知っているので、その要素をAIと掛け合わせられるのが、すごく便利だなと思いました。さらにデザインは見やすくて、お客様にとって理解しやすい構成になっています。
ー 特にどこを調整していらっしゃいますか?
太田様:最も調整しているのは、各項目の評点です。どうしてもレインズの成約事例を入れても外れ値というか、著しく高かったり低かったりする物件もあります。他にも成約事例の件数が少ないときや、リフォーム済みの場合など、どうしても調整が必要になります。
麻生様:太田は、AI査定プロを使い始める前は独自に、レインズの事例などから評点を自分で登録して、対象不動産の想定坪単価を出して査定価格を算出する、オリジナルフォーマットの査定書を作っていました。今まで手動でやっていたこととほぼ同じことが、AI査定プロを使えば半自動化されたみたいな感覚ではないかと思います。
太田様:ああ、オリジナルフォーマットで作成していましたね。Excelに評点を登録しておき、査定価格を計算してから、パワーポイントで資料として見栄えよくしていました。
私が所属していた店舗内でもフォーマットを共有していたのですが、AI査定プロを見て「私の作った書式はもう要らないな」と思いました(笑)。今はもう、お蔵入りです。
麻生様:先ほどのアンケート結果を見ると、79%が「継続したい」と回答しているので、営業現場から見ても80点ぐらいの感覚かなと思っています。
ー ありがとうございます。100点満点になるためにはどこを改善したら良いでしょうか?
麻生様:一棟査定と、査定精度です。先ほどのアンケート結果でもから、特に町田などの郊外店メンバーからは、「土地や戸建ての査定精度が低い」「土地の査定の時は、他社Aさんを使っています」という回答が寄せられました。土地の査定精度がもう少し高まると評価につながると思います。
太田様:やっぱり収益物件の査定ですね。導入当時は区分収益の査定機能がまだ無かったのですよね。今は区分収益物件の査定対応ができるようになったので、一棟もリリースを期待しています。
あとは売出し物件で査定するとどうしても高くなるので、過去に取り込んだ成約事例を使えると嬉しいです。現在はコピーアンドペーストでレインズから情報を貼り付けられますが、さらに作成時間を短縮できるとありがたいです。
AI査定プロはどのような会社におすすめ?:査定件数が多く時間がかかっている、でも媒介が取れない企業
ー AI査定プロは、どういう会社におすすめですか?
麻生様:会社の規模感は関係ないと思います。査定件数が多すぎて時間がかかって仕方がない、でも媒介が取れないという会社さんであれば、作業時間も圧縮できますし、見栄えの良い査定書がすぐに出来上がってくる点が特にお勧めできます。
以前導入していた査定書システムや、独自のWordテンプレートでは作成にかなり時間がかかっていました。1つ1つ数字を転記してコメントを書くだけでも、1査定で1時間はかかります。これがすごく圧縮されると思います。
一方で、御社の査定システムを使っている会社さんも増えてきているので、被ってしまうことは今後増えるのかなと思います(笑)。だから独自資料を挿入して、差別化が必要だと感じますね。
ー ありがとうございます。今後欲しい機能などのご要望はございますか?
麻生様:今御社が提供しているサービス範囲からは拡大しすぎかもしれないのですけど、最近は便利なサービスがいろいろ出てきた結果、それぞれを導入するとツギハギ状態になってしまうという課題があります。
例えば査定するときはAI査定プロ、追客する時はこれ、みたいな形でプラットフォームがバラバラになっているので、1人の顧客情報をあちこちに登録する手間がかかっています。
売却の方であれば、査定→受注→販売活動→契約→決済という不動産の全体の流れがあり、購入も同様の流れがあるので、それら全体の流れを1つのマイページ上で管理できる状態が私は理想形かなと思っています。
そうすると、お客様は一箇所見れば完結できる、営業もここで基本的にお客様とやり取りして、ここに全部情報入力すればOKみたいな状態にしていくのが、目指すべき方向性なのかなって思っています。
ー この度は、インタビューにご協力いただきありがとうございました。今後さらに良いサービスを提供できるよう、アンケート結果や本日伺ったことを活かしてまいります。
また、先日は新機能の説明・異動された方に向けた説明会の機会もいただきありがとうございます。引き続きサービスを磨いてまいりますので、よろしくお願いいたします。