K:さて、今回は査定方法について教えてほしいです。
AI査定プロには「取引事例比較法」と「原価法」と、2つの査定方法が搭載されています。
それぞれがどんな査定方法なのか、ということと、どのように使い分ければいいのか?を教えて下さい。
まずは取引事例比較法とはどのような査定方法でしょうか?
横山:取引事例比較法とは「対象となる不動産と類似する不動産の取引事例を元に価格を査定する方法」です。一般の人にも一番わかりやすいし一番使われる手法ですね。
「査定」といえば基本的にこの方法です。
K:一般の人にもなぜわかりやすいのですか?
横山:比較しながら説明できるからです。大きさが違くても単価にすれば比較しやすいため、特にマンションと土地(住宅地)はこれでしか査定しません。
K:なるほどですね、確かに比較というのは、最もわかりやすいやり方ですね。
それでは原価法とはどのような査定方法でしょうか?
横山:原価法とは「現時点での再調達原価を求める」ことにより査定を行う手法です。
K:再調達原価とはどういう意味ですか?
横山:今手に入れようとしたらいくらなのか?ということです。今の市況で今この建物を建てるのにマックスかかる費用を求めてから、経年による原価修正を行っていきます。
戸建は原価法でやるのが一般的です。
K:なぜですか?
横山:あっちの建物がいくらだからこっちはいくらって単純に比較できないからです。建てたハウスメーカーも違ければ、間取りも広さも違う一点物です。当然、坪単価に直すなんてこともできません。「キッチン部分の坪とリビングは違うのかな?」なんて話はありえないですよね。
戸建ては原価法でやりましょう。
ちなみに余談ですが、原価法にも結局取引事例比較法が入ってくるんです。建物価格は原価法で求めますが、土地価格は取引事例比較法で求めて、それを合算します。
土地は償却資産じゃないので経過年数によって価値が下がらないんです。なので今買ったらいくらか?を求めるには市場性を反映する価格と言われている取引事例比較法を使うのがベストなんです。
K:今建てたら、なんてどうやって計算するんですか?いちいちハウスメーカーに見積もり取ったりするんですか?
横山:さすがにそんなことはしませんが、営業マンならみんな自分の担当エリアの建築単価は把握しています。
K:なるほどですね。ちなみにAI査定プロはそこらへんの建築単価ってどうなってますか?例えば建築単価を把握していない地域の査定をすることもあると思いますが。
横山:もちろんデフォルト値で政府の公表数値が入っていますので、土地勘のない地域の査定も問題なく行うことができます。
K:AI査定プロは戸建てのみ取引事例比較法と原価法が選べるようになっていますが、今の話を聞いていると原価法しか使わなそうですよね。取引事例比較法を使うときってどんな場合ですか?
横山:今Kさんが言ったように、戸建は基本的に原価法でやってもらうのを推奨しています。
やはり戸建は個別性が高いため比較が難しいんです。デフォルトでは原価法オン、取引事例比較法オフになっています。
戸建でも取引事例比較法を使える場合、使った方が便利な場合は個別性が低い戸建の場合です。
例えば、分譲地。同じハウスメーカーで統一されていますし、同じスペック、同じような立地となれば「あそこの家がいくらだったから、ウチは駅からもう少し遠いからいくらかな」と一般の方でも想像がつきます。
そんな感じです。
K:なるほど、めちゃくちゃ腹落ちしました。ありがとうございます!またよろしくお願いします。