S:先日、協業先の担当の方に「横山さんに会えたらすごく緊張してしまうかもしれません、有名人なんで」と言われました。広告や色々なところで出ていただいている効果が浸透してきた実感がありますね。
横山:そうですか・・うれしいような、はずかしいような、何だか不思議な気持ちですね。引き続き、不動産や査定に関する有益な情報が発信できたら、と思います。
S:そうですね。ファンができるって会社にとっても製品にとっても悪いことではないですから。引き続きよろしくお願い申し上げます。
それでは前回に引き続き「補正値」ということで、今回は「戸建」についてよろしくお願いします。
横山:戸建はまたマンションと違う論点があるんですよね。まず、建物には補正率は使わないです。建物は、その土地に同じスペックの建物を建てたと仮定した時の価格からどれだけ年数が経過しているかで価格はある程度機械的に決まるんですよね。
S:なるほど。建物に関してはある程度決まってくるんですね。そうなると、補正の力は必要なところって、「土地」の部分になってくるんですね。土地にはどんな補正をしていくのでしょうか?
横山:主な補正要因は、
といったところですかね。
S:駅距離って、やはりマンションの査定と同じで10分超えると1分ごとに落ちてくる感じでしょうか?
横山:そうですね。やはり1分刻みにシビアになってきて、20分超えると徒歩扱いではなくなりますね。
S:容積率はどういう基準になるのでしょうか?大きいから良いのか、小さいから良いのか、その基準も見えにくい感じです。
横山:容積率は上がるほど金額は上がる、という基準です。集合住宅でも商業不動産でも、なるべくたくさんの面積が使える方がいいわけじゃないですか。これを不動産用語では「効用が増える」と言います。容積率が下がるほど、補正をかけて査定を下げていくイメージです。
S:容積率はそういう基準でみていくんですね。ひとつクリアになりました。道路幅員・間口といった接道関係の要素は査定を左右する大きなファクターなのでしょうか?
横山:大きいですね。接道状況が価格を決めると言っても過言ではありません。まずは接する道路の幅ですね。基本的に4m以上幅がないと建物が建てられないので、4m未満だと8掛けくらいの評価額になることが多いです。
S:広ければ広いほど評価がよくなるって感じですか?
横山:いえ。国道みたいに広い道路になってしまうと、環境面でのリスクが出てきてしまうので、広すぎる道路はまた下がる要因になってしまいます。
間口に関しては、基本的に2m以上接道していないと建物が建てられず、旗竿地の形状だと間口が2m以上で、通路のどの部分も2mを下回ることはできません。
S:2m直径のボールが通過するイメージですね。
横山:そうです。旗竿地は、日照が比較的悪く、セキュリティ的にもリスクがあるので90%くらいの評価になることが多いですね。
あとは、接道している道路が私道なのか公道なのかということも査定に影響します。私道だと少し低く評価されることが多いです。
S:確かに、私道だとアスファルトの維持管理・水道などのインフラも負担の可能性が高いので、価格が下がるファクターになりそうですね。
横山:なので、土地を査定する時も土地を買うときも、接道状況はしっかり調べないといけないんですよ。
横山:ここでSさんに質問です。土地が大きければ大きいほど査定価格は比例して高くなるでしょうか?
S:この質問はひっかけですね、、高くならない!
横山:フリですから、正解したらダメですよ〜、、笑
規模のリスクとして、広くなると需要が減るので下降要因になるんですよね。こう考えたらわかりやすいです。「広い土地を買える人と狭い土地が買える人はどっちが多いですか?」という話で、広い土地が買える人は限られていますよね。額自体は高いし、必要性が低くなるしで。
むしろ、狭くなると単価が上がっていくんですよ。
S:これは面白いですね、、やはり価格の保持要因・上昇要因は取引量というか、需要の量なんですね。それは一般財と同じですね。
S:戸建においても、AI査定プロならではの強みは「補正値の自動計算」でしょうか?
横山:やはり補正値自体の計算に悩まなくてもいい、ということですね。補正値はAIでの独自のデータ計算を用いて、適切な補正値が自動計算されますので、物件の特徴をより反映した査定が簡単に仕上がります。
また、接道状況もシステム内で簡単に計測いただくことができます。1つ残念なお知らせなのですが、旗竿地の査定機能はこれからの開発となりますのでお待ちいただければ幸いです。
S:今日もありがとうございました!土地の査定は奥深いですね、、次回は土地の査定について深掘りさせてください!