S:おかげさまで、日本全国の不動産会社様に「AI査定プロ」を使っていただく機会が増えてきました。そこで、大都市以外の不動産会社様の実務に役立つ情報を聞いていきたいんですよ。
AI査定プロの査定設計の根幹である「取引事例比較法」って、ある程度周辺に物件が無いと難しいんじゃないかって、、例えば三重県鈴鹿市とか、静岡県三島市とか、岡山県津山市くらいの10~20万人規模くらいの都市の物件の査定って、どうやってやるのでしょうか?
横山:20万くらいの規模の都市の市街地なら5件は取引事例が見つかることが多いですね。ただ大都市に比べて、どうしてもマンションが密集してない地域や戸建の場合など、査定のサンプルを出すのが難しいのも事実です。
10万くらいの都市だとさらに密集度が下がるので、近隣というわけには行かず、近隣都市などの比較も合わせていく必要があります。
ただ、事例が少ないからといって、何年も前の取引事例を使ってしまうのは、査定としておすすめできません。新しめの事例を選ぶことが肝要です。
S:やはり、良い査定をするためにはフレッシュな事例選びが大切なんですね。
横山:そうですね。事例命の横山です。とは言っても事例が少ないところもあるので、目安をお伝えすると、公示・路線️(固定・相続)価を目安にするのが定石になりますね。
路線価は相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用するもので、公示地価の7〜8がけといわれています。
相続税や贈与税において土地等の価額は、時価により評価することとされているので、それに近い金額に寄せていく査定をするのは、戦略的にありかと思います。
S:財産に税金を課すために設定している「路線価」ですもんね。ある程度的確な価格にまとまりそうですね。
横山:ただ「比べる」ということはあきらめて欲しく無いですね。10万都市で駅前に1本だけマンションが立っているケース、あるじゃないですか。
自分の経験だと千葉県銚子市がそうだったかな、そういう場合でもまずはそのマンションの部屋違いの事例を探す、それでも無ければ隣の市・同じ沿線の似た立地・築年数のマンションと比べていくのも大切になります。
S:似た立地、これまた難しい概念ですね。似た物件を探すテクニックはありますか?
横山:似たような街を探すのはセンスが必要ですね。例えば宿場町だったとか、城下町だったとか、工業都市だったとか、衛星都市だとか、そういうことを調べていくことが大切になりますね。例えば「地名に共通点がある」などヒントを見つけていくのも大切です。
AI査定プロでは、1件でも近隣事例があれば査定ができますので、10〜20万規模の都市の不動産会社の方も十分な査定をしていただけると思います。
S:少ない事例の中での比較も近隣都市を見ていくなど工夫して査定していくといいのですね。今日もありがとうございました。